2006年12月23日土曜日

西荻へ

今日は、西荻窪まで自転車で行ってきました。
自宅のある府中から西荻まで自転車で道に迷ったということもあり片道ほぼ2時間。
さすがに途中で後悔しましたね。自転車をこぎ始めて1時間経ったころ、まだ道のり半分ってとこでさすがにこりゃしんどいなって思ったのですが、ここまで来たら引き返せないなぁと思い、結局行っちゃいました。
足はパンパンになるし、そしてなによりもお尻が痛い。ママチャリで計3時間半はきつかったです。

たまにこんな冒険をふとしたくなってしまうんですよね、子供のころから。

でも、西荻に行くまでにちょっした出会いがいくつかありました。

途中まで高校時代の通学路を通ってたのですが、見慣れている景色の中に、完全に周りから浮いたカラフルな建物がきゅうに現れました。


ど~ん!
カラフルな四角と円の集合体。これ、住宅なんです。いやー楽しげですね。ここに住んだら毎日が楽しいかも。それにしても、これ見たとき、ウィーンで見たフンベルト・ヴァッサーを一瞬思い出しましたよ。屋上に植物が育ってるし。

あとでわかったのですが、これは荒川修作+マドリン・ギンズの設計で、「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller」。この住宅にはブログがあるので、興味をもった方はこちらで。
中がどうなっているのか非常に気になりますね。

そして、その後、先を進むと、あのラピュタに登場する巨人兵に遭遇!

ず~ん!


そうです、ここはジブリ美術館。その屋上で巨人兵が道行く人たちを見下ろしてました。


そもそもなんで西荻まで来たかというと、遊工房というアート施設を見るため。ここは、アーティスト・イン・レジデンスという施設で、レジデンス施設をもったスタジオ、そしてギャラリーが併設されてました。
現在、ここでは。北アイルランドのアーティストを紹介する「交差」展が明日23日まで開かれてます。

いやぁ、ひさびさに運動しましたね。
でも、いい出会いがあっとこともあり、心地よい疲れを感じております。

2006年12月7日木曜日

うしろに注意。


スペイン・コルドバで、シエスタ中にさんぽしてるときに見つけた、お店のロゴ。攻めてますね、このロゴ。アグレッシブです。

HPを見てみると、どうやらイタリアのカジュアルファッションのお店のようです。

2006年12月5日火曜日

お役所言葉

お役所言葉って変ですね。

今日、市役所に転入届を出しに行ってきました。
届書を窓口に提出し、そのあと、窓口のお姉さんが新しい住民票を出してくれたので、書いてあることを確認していたら、僕の前住所の欄に「連合王国」と書いてありました。

「へえ、イギリスって連合王国って記載するんですね?」
「はい」

そんな会話をしたあともなんか違和感を感じて、なんで「イギリス」じゃなくてこんな堅いイメージを与える「連合王国」なんだろうってずっと考えていたら、 そうか、イギリスって英語で「United Kingdom」って表記するから、それを訳したからなのね、とふと気付きました。合点、合点。

「United Kingdom」には慣れていたけど、その訳の「連合王国」に慣れてなかったので、すっごく違和感を感じたのでした。「United States」=「合衆国」は、すんなりイメージできますが。

ちなみに、イギリスの正式名は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。英語では、「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」。

2006年12月4日月曜日

今、東京にいます。

ハローハロー、コチラ東京デス。

日本に帰国しました。

激動の大学院1年間を過ごし、こよなく愛したNew Crossを離れ、北ロンドンの閑静な住宅街 Southgate で1ヶ月ホームステイし、その後は、リバプール、スコットランド、スペインとノマド生活をしてきました。

この期間、さまざまな事があり、いろいろ書きたいことがありますが、きょうは帰国のあいさつまで。
今後、気が向いたときに、時間軸を気にせず、ちょこちょこって書いていきたいと思います。

2006年9月28日木曜日

ご無沙汰してました。


7月20日以来の更新なので、2ヶ月以上このブログを放置してたことになりますね。

この2ヶ月の間に、修士論文を無事書き上げ、提出後すぐに寮を引き上げ、リスボンに旅立ち、ロンドンに戻ってからは、友達の所に3日ほど厄介になり、その後はイギリス人家庭にホームステイをしております。写真はホームステイ先の猫のシャドー。結構男前。もうメロメロです。

これからは残り1ヶ月となったロンドン滞在をのんびり過ごしたいと思います。美術館やギャラリーを巡りながら。今のお部屋、ネットができないので、ネットができる機会にめぐり会えたときにちょこちょこって更新しようと思います。では。

2006年7月21日金曜日

のっぺり

まったくくぼみのない林檎。

今、ロンドンは夏真っ盛り。とにかく暑いです。部屋が屋根裏にあり、西日がもろあたる6時ごろはかなり暑い。その時間は図書館も閉まっており、避暑もできず。

それはそうと、久しく水しか出なかったうちのシャワーがお湯も出るようになりました。暑いとはいえ、シャワーはお湯じゃないとね~。

2006年7月18日火曜日

モバイルな建築

4月14日の日記で紹介したレム・コールハースのパビリオンが先週オープンしました。この気球のような建物は、広いハイドパークの中でも頭ひとつ抜け、おかげでいつもとは違う公園の入り口から入ったのにかかわらず、迷わずたどり着くことができました。

裏から見るとそうでもないんだけど、正面から見ると気球の頭の形、少しゆがんでます。


中はこんな感じです。床は、工事現場の足場に使われる、細かい穴(滑り止め?)があるもの。写真に写ってる人が座ってるのは、硬いスポンジのようなもの。軽くて簡単に移動可能。

レムに対してほとんど何も前知識もなく、解説も読まずにこの建築を見たのだけど、デザイン的にも空間的に正直ピンとこず。ただ使ってる素材の「軽さ」が印象的でした。そっから見られる「仮設性」、それが、遊牧民の住居であるパオを思い起こさせました。常に移動し、移動した先々で簡単に組み立てられる住居。そして、持ち運ぶのに適した素材の軽さ。ただ遊牧民のテントとの違いは、これは空を飛んで移動すること。もっと自由にいろんなところに行けそうです。

風のおもむくままに、ぷかぷか飛んでいこう。

いい汗かきました。

きょうは、午前中にヘイワード・ギャラリーに行き、バタイユが中心になって作ってた雑誌『DOCUMENTS』に関する展覧会を観に行く。解説の量が多く、読む作業に疲れたが、この雑誌なかなか興味深い。
夕方には、フラットメイトたちと学校の一面芝生のフィールドに行き、サッカーをやる。途中からサマースクールで来ているイタリアの高校生(?)が混じり、さらに地元の子供たちも混じる。日本、中国、バングラデシュ、イタリア、イギリスという多文化構成のサッカー。なにはともあれひさびさの運動。いい感じに頭がリフレッシュされました。

2006年7月8日土曜日

Paris, Paris, Paris!

先週末、パリに行ってきました。はじめてのパリ滞在は、4泊もさせていただいたクリさん&マックんのおかげでそれはもう笑いがはじけるハッピーな旅でした。
エッフェル塔。「どうだ」と言わんばかりに道をまたいで立ってる姿がいい。大学が東京タワーの近くにあり、在学中ほぼ毎日見てたためつい比べてしまうが、エッフェル塔の方がエレガントだね。それはパリの雰囲気がそうさせているのか。でも、東京タワーのうさんくささも東京の雰囲気にマッチしててそれもいい。メトロ。ロンドンといっしょで暑い。冷房なし。そういえば、最近、ロンドンの地下鉄では、放送で暑いから水を持ち歩くように呼びかけてます。パレ・ド・トーキョー。ここがパリで一番行きたかったところ。90年代に登場し、近年多く見られる観客参加型の作品を多く扱い、その実験的な展示で注目を浴びた美術館。この日もある意味「らしい」作品が展示してあった。

そして何よりもフランスvs.ブラジルをフランスで見れたことがよい思い出。TV観戦とはいえあの熱き興奮はなかなか味わえない。アンリのゴール後、勝利が決まった瞬間の雄たけび、そして、鳴り止まないクラクション。熱かった。

2006年7月5日水曜日

Les Roues De Couleurs

少し前の話ですが、先月末、Mile End 周辺で行われた、フランスのダンス・カンパニー Compagnie Off によるパレードを観にいってきました。ちなみにこれは、Greenwich+Docklands International Festival というパフォーマンス・イベントの一つ。

カラフルに彩られた大車輪を押す白塗りの人々が、リズミカルな音楽に合わせて動き回る回る。流れる音楽は、思わず踊ってしまうような楽しげな音楽。通り沿いにある建物の壁にはプロジェクターで、この周辺に住む子供たちの顔を投影していく。そして、ときおり立ち止まっては、火薬を爆発させて、まわりをびっくり仰天させる。多くの見物客はかれらがつくり出す愉快な世界の虜になり、ひたすら彼らについていく。ついていった先に待っていた、彼らが最後に出したびっくり箱は、
クレーンをつかった大掛かりなフィナーレ!ごろごろ回ってた虹色の車輪がクレーンによって夜空を舞う。そして、最後はやっぱり火薬。ほんとに心から楽しませてくれた、イカしたヤツラでした。

このとき流れてた音楽がずっと頭から離れず、またどこかTahiti 80を思い出させるものだったので、パリでTahitiのCD買ってきちゃいました。また、もうひとつ頭から離れなかった白塗りダンサーの踊りは、パリでミクが再現してくれました。

2006年6月26日月曜日

BASEL, BASEL, BASEL!

フランス vs. スイス戦にかじりつく人々
  • ス イス・バーゼルで開催されたアート・フェア、Art Baselに行ってきました。このArt Baselは5日間の間に世界中から作品を買い付けに来たコレクター、ギャラリスト、キュレーター、アート好きな人々などがぞくぞくやってくるアート界の 一大イベント。関係者や招待状を持っている人だけが入れる一般公開前の内覧会は、さすがにセレブな雰囲気をもった人たちがわんさかいて、作品とはまた違っ たところで見ものでした。しかし、そんなセレブな人たちも隣国対決となったサッカーW杯のフランス vs. スイス戦にかじりついてました。

  • Art Basel のおもしろいところは、ロンドンのフリーズやニューヨークのアーモリーショーといった他のアート・フェアで見られるようなギャラリーのブースが並ぶ展示会 場の他に、大型作品だけを展示した「Unlimited」という展示スペースがあること。この展示は見ごたえがあり、作品を買い付けに来たわけじゃない一 般客も楽しめるものだった。

    ここで印象的だったのは、ホセ・アントニオ・オルツ(José Antonio Orts)とア リシア・ フラミス(Alicia Framis)の作品。二人ともスペイン出身の作家。オルツの作り出した空間には何もない。ただ白い壁があるのみ。まさにホワイト・キューブそのものと いったところだ。しかし、耳には工事現場の作業音が聞こえてくる。でも、どこを見てもスピーカーはない。おそらく壁の中にスピーカーが隠れているのだろう が、それが巧妙に隠されていた。空間に音だけを流すサウンド・インスタレーションは決して珍しいものではないが、その際スピーカーが設置され、それがある 種オブジェとして空間の中でその存在感を示しているのに対し、オルツの作品はスピーカーが目に見えず、純粋に音だけが聞こえてきて、しかもその音が工事現 場の作業音というのが妙におかしかった。展示スペースがあるメッセ会場のその仮設性ゆえに、この作業音がリアルに聞こえてくる。ちなみにタイトルは、「工 事中(Under construction)」。

    ア リシア・ フラミスの映像作品《Secret Strike Tate Modern》(2006)は、Tate Modernで働く人々や訪れる人々を撮ったもの。しかし、カメラに捉えられた人々の動きは皆止まってる。カメラだけが人々の前を通過していく。タイトル が示しているように、皆ちょっとしたストライキを起こしてます。しかし、動きを止めてる人たちも決して完全に止まってるわけじゃなく、たまにぴくぴく動い たりしていて、そこがまたおかしい。一見、人々の動きを切り取る写真のような効果を示しつつ、しかし、それは映像の中で展開される「動かないパフォーマン ス」である。その点が非常におもしろかった。

  • バーゼルで偶然にもロンドン・アート情報サイト「fogless」の主宰者の方に会いました。普段お世話になってるサイトの主宰者と直接お会いできてうれしかった。彼女のサイトにも、バーゼルレポートがアップされてます。

2006年6月12日月曜日

近況

  • 火曜日にコースの全日程が終了し、あとは修論を残すのみとなりました。最後の「シンポジウム」はしんどかった。最後の最後で一番しんどい思いをしたかもしんない。この「シンポジウム」はひとり20分の自分の研究テーマについてのプレゼンをするもので、フルに2日間を費やした。
    まだ修論のテーマについて考えはじめたばっかだったもんで、なにを話したらいいものか悩んだ。そして悩んだ末に何とか形にし、本番前夜に寮でみんなの前で練習したら、いろいろ問題点が発覚。そっから徹夜で構成し直し・・・そして本番。でも、自分の中ではまあまあやれたんじゃないかと思います。みなさん、ほんとにお世話になりました。ご協力ありがとう。

  • プレゼンが終了し、その後、ドラマ「1リットルの涙」にハマる。このドラマ、つらすぎます。もう涙が止まらんかった。1.5リットルの涙は流れたかもしんない。

  • Oriental Radioにハマッてます。というか、ハマッてました、と言った方が正確かな。最近は、見過ぎて少し飽き気味・・・。なんでも「too」はいけませんね。でも、やっぱりまだ好き。

  • 久々にUCLのメンバーに会う。いつものパブで。語学学校時代、英語の勉強で精一杯で自分が大学院で勉強してる姿なんて想像できなかったが、今はもう修論を残すのみとなっている。自分もみんな「生き残った」んだね。夜中に中華街で福建チャーハンを食べる。う~んLマンに連れていってもらった店のやつの方が上手かったかな。あと、空芯菜も自称「空芯菜」通としてはいまいちピンとこず・・・。でも、楽しかったからいいや。

  • 明日、日本戦観戦。Good luck on Japan! そして、翌朝早朝にスイス・バーゼルに行ってきます。14日からArt Baselがオープン。たっのしみ~。

2006年5月16日火曜日

この星の一等賞になりたいの、卓球でオレは。

  • ドッグヴィル観ました。「ドッグヴィル」という小さな村の話。ラース・フォン・トリアーの作品は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に続き2作目だったんだけど、前作同様、劇中主人公が村人から受けるひどい仕打ちにはほんとにいたたまれなくなった。ただ前作と比べると、より考えさせられる内容だった。この印象はたぶん今、コミュニティーについて勉強していることも多分に関係していると思う。また撮り方がおもしろかった。スタジオの床に家や道に見立てた白線を引いただけのセッティング。ドアも壁もないが、役者はあたかもそれが存在するかのようにふるまう。そのため村で起こる出来事はすべてつつぬけ。まさに「コミュニティ」をテーマにした物語にマッチした装置。こんな実験的な撮り方は大歓迎です。


  • ドッグヴィルを返したときに、「ピンポン」を見つけたの思わず借りる。ドッグヴィルのダークさに対する反動。これはなにも考えず純粋に楽しめた。軽快な音楽と個性的な俳優陣。やっぱり竹中直人は好きだ。あの濃いキャラはどの映画に出ても変わらない。ストーリーを思い返してみると、あまりにもありがちなスポーツ映画だけど、見ているときは楽しめたからそれでいいじゃない。

    そこんとこよろしくっ。

2006年5月14日日曜日

スクーター野郎集まる!


  • 今、チェルシーにイカしたスクーターたちが大集合してる。おそらくスクーターの展覧会だろうかと思われます。ちょうどTate Britainからバス停に向かっているときに人だかりに遭遇。どうやら昨日がオープニングだったようです。個性いっぱいのデコレーション・スクーター(デコスク)たち。なかなかかわいいです。

2006年5月12日金曜日

On the grass

  • 最近はもっぱら大学にある芝生の上で本を読んでます。ランチの前に行って本を読んで、そして、家に帰ってきて昼ごはんを食べて、その後、また大学にいって芝生の上で本を読む。雲ひとつない空の下での読書は快適で、ページもどんどんすすんでいく。きのうは、先日買ったClaire BishopのInstallation Artを読んだ。インスタレーション・アートの歴史をcriticallyに見ていく彼女の視点に感服。一度、彼女の話を直接聞きたいものです。
  • さて、きょうも晴天の下での読書、行ってきます。

  • きょう、アマゾンで買った本が届いた。エドワード・サイードのRepresentations of the Intellectual (邦題は『知識人とは』かな?)。この本でサイードは知識人とはどういった存在であるかについて語ってる。まだイントロと最初の章の少ししか読んでないけど、その中にも心に響くフレーズにいくつか出会った。例えば、
    'the public role of the intellectual as outsider, "amateur", and disturber of the status quo'
    'the intellectual as exile and mariginal, as amateur, and as the auther of a language that tries to speak the truth to power'
    これはもともとBBCで放送されたものを本として出版したもので、言葉が平易で読みやすい。これから一気に読破したい。

  • 夕方、Tate Modernに行き、マルティン・キッペンベルガー展とアルバース&モホリ・ナジ展を見る。ふたつの企画展を一気に見たもんだから、頭がパンク状態。なにかコメントを述べようにも今は収拾がつかず。それでも、キッペンベルガーの作品を見たのは初めて(あるいはどっかで見ていたかもしれないが、意識してしっかり見たの今回が初めて)だったのだが、社会、そしてアートを批判的に見る彼の姿勢は興味深い。昨日読んだInstallation Artにおいて議論されている内容とリンクするところがあり、彼の作品にのめり込んだ。この展覧会も日曜で終了。もう少し早く興味を示していれば、関連イベントに参加できたのにと少し後悔。

  • 街を歩いていたら、なにかの種が雪のように飛び交っていた。おかげで、目、鼻、のどがやられました。くしゃみは出るわ、目はかゆいわ、鼻はぐじゅぐじゅするわで、少し花粉症の人の気持ちがわかりました。

2006年5月9日火曜日

ごく普通の日常


  • 朝起きたら、空は雨模様。最近ずっと天気がよく、こんな朝から雨の日はしばらくなかったな、とふと思う。きょうはこれといって特別なことはなく、ごく普通の日常。朝からだらだらしつつ、部屋の掃除をし、夕方から学校の図書館へ。本を2冊、visual culture: the readerTheory in Contemporary Art since 1985、そして、DVDを2枚、Erin BrockovichDogvilleを借りる。図書館で本を読もうと思ったが、試験期間中のため人が多く、家に帰る。そして、夕寝。こんなだらだら過ごすのもなんとなく久しぶり。これも悪くない。でも、修士論文のためのリサーチを始めなくては。

2006年5月8日月曜日

5月6日土曜日


  • 昼1時すぎ、きゅうにColchesterに行こうと思い立つ。なぜなら、この街にあるギャラリー、firstsiteで開かれているさわひらきの展覧会がこの日が最終日だということを知ったからである。さわひらきの作品には、N.Y.のJames Cohan Galleryで出会い、ひとめぼれし、その後東京のオオタ・ファイン・アーツで再会して以来、ずっと気になっていた作家である。彼の作品はこれまでいろんな機会で見ることはあったが、個展という形でまとまって見たことはなかったので、これはなんとしても行かねば、と決心する。
  • Colchesterはロンドンの南東に位置し、電車で1時間ほど。イギリスで最も古い街のひとつといわれ、ここにはエセックス大学がある。電車でごとごと揺られ爆睡し、駅に着いたら、あいにくの雨模様。駅から街の中心地までは歩いて20分ほど。ギャラリーに着いたのは、ほとんど4時だった。

  • さわひらきのイギリスでの初個展は、すばらしいの一言。わざわざここまで来たかいがあった。彼の映像作品では、なんの変哲もないロンドンのフラットの一室で不思議な世界が展開される。ジェット機が飛び回り、ラクダが歩き、木馬が行進する。はたまた、やかんや文房具など部屋にある物に、にょきっと足がはえ、歩き出す。部屋の中で起こる夢の世界。彼の感性にはほれぼれする。会場にいた大人も子どもも皆、楽しんでいた。
    *firstsiteのさわひらき展のページはこちら
    *さわひらきのホームページはこちら

  • ショップでfirstsiteが作ったさわひらきにとって初の作品集を購入。これは貴重だ。ギャラリーが5時までだったので、さわの作品を堪能したあと、少し街を散策することにする。Colchesterは、私の記憶が確かならばかつてローマの植民市だった街で、同じくローマ人がつくったBathにどことなく雰囲気が似ている。しかし、ColchesterはBathと比べるともっとこじんまりとしている。そして、建物ひとつひとつもどことなくこじんまりとしている。1時間もぶらぶらすればもう十分だが、この街けっこう好きだ。6時には駅に着き、電車にてロンドンへ帰る。帰りの電車も爆睡。

5月5日金曜日


  • ロンドンはTシャツ一枚ですごせるくらいの陽気な日。久々に街に出た。まずはSpitalfields Marketに行く。ここは一部工事中ということもあり、出店も少なく、すこし寂しげ。ウィーン料理の出店で昼食をとり、ぶらぶら歩いてBrick Laneへ移動。そしたら、Paul Smithのサンプル・セールに遭遇。これはツイてる!レザー以外のシューズがどれでも£20。スニーカー好きの私は大興奮。迷ったあげく2足も買ってしまった…。ほかに服とかもかなり安かったけど、これで満足…ということにしとく。
  • お次は、The Photogaraphers' Galleryへ。ここでは、川内倫子展がオープンしたばかり。彼女の作品をまとまった形で見るのは初めて。とくに印象的だったのは、家族・親族を撮った写真のスライドショー。作家自身の祖父・祖母の写真を中心に展開されるのだが、その断片的な写真が紡ぐストーリーに思わず吸い込まれる。これは作家が外から家族を撮ったものではなく、家族の一員として撮った写真である。いわゆる誰もが撮るであろう家族の記録写真。しかし、この写真を「作品」たらしめているものはなんなのか?もちろん技術的なものも当然あるのだが、やはり彼女の「視点」であろうかと思う。他のメディアと比べても、とりわけ写真というものは、「視点」というものが重要になってくると思う。
    *川内倫子展について詳しくはこちらへ。

  • 続きましては、Tate Modernへ。この日は、長らく展示してあったWhitereadのインスタレーションの撤去作業が行われていた。Whitereadはダンボール箱を型どったプラスチックの箱を大量に積み上げた。あの箱たちはいったいどこに行くのだろうか。
    ブックショップにて、Claire BishopのInstallation Artを購入。

2006年5月7日日曜日

5月2日火曜日


  • なんやかんやとこの1ヶ月の間とりかかっていたエッセイを提出しました。今回は自分にとって一番字数の多いもので、総数7,777 words!ラッキー7が4つ。これにすこし感動。ただ、枚数にして34ページのため、普通のホッチキスじゃ歯が立たず、結局、印刷屋さんに閉じてもらう。そのため、見栄えもなかなか良し。
  • エッセイ期間中、いろんなドラマが起こりました。
    提出期限前日に、寝ぼけて最新のデータの上に古いデータを保存してしまう。一気に目が覚める。そして、これは一大事だと、先生にメールを送り、提出期限をのばしてもらう。しかし、その後、復元ソフトを使い、なんとか復活。
    そして、今度は延長した提出期限前夜に、寮のブレーカーが落ちる。パソコンの内蔵バッテリーだけで1-2時間はもつとはいえ、その時間内に仕上げられる自信もなく、急いで管理人に電話をし、直しにきてもらう。
    などなど、いろんなことがあったけど、なんとか今回も無事に提出しました。

2006年4月27日木曜日

ホントの私、レビュー!

  • Four Tet とベテランジャズドラマーの Steve Reid のライブを観に行く。エレクトロニカとジャズのセッション。ふたりはあまりにも対照的だった。抱いたふたりのイメージは、Web系とガテン系、あるいは、コンピュータオタクと頑固おやじ。共通するものは、音楽好きということ。音楽を通したコミュニケーション。Four Tet がこの音はどう?っていたずらっぽく微笑む。しかし、Reid はまだまだ、とドラムで返す。ポンポンと音のひきだしがあけられていく。ふたりの音はひとつのメロディーとして決して完全に調和することはない。かといって、まったくかみ合わないわけでもない。それぞれが自分の音をつくりだし、それが不思議にからみあっていく。ふたりはこの音のコミュニケーションを心から楽しんでいるようだった。だから、観ているほうも楽しかった。
  • ちょうど今、エッセイで「即興」についてふれているので、ライブからインスピレーションをもらう。

2006年4月23日日曜日

4月22日土曜日、みごとな快晴。

  • きょうもエッセイ執筆。図書館でやったり、部屋でやったり。でも最近はもっぱら図書館派。学校のNew Macが気に入ってる。
  • ドゥルーズの思想がおもしろい。彼の本を読んでもほとんど理解できないが、ほかの一見ドゥルーズとは関係なさそうな文章を読んでいるときに、あれ、これはドゥルーズが言ってることなんじゃないかな、とふと思う場面によく出くわす。意外なところでつながりが見えてくる。まるで「根茎」のように。まさにこれはドゥルーズの哲学が語っているところ。(ま、多くの人が彼の思想に影響されてるということもありますが。)
  • 最近買ったインスタント・コーヒーのお味があんまり好みではなかったので、豆乳を買ってみた。これからはソイ・ラテで。

2006年4月18日火曜日

無題

春ってこんなに気持ちいい季節だったんだと、ロンドンのお天道様をめったにおがめない長い冬を経験して、つよく感じてます。
そんなわけで、ブログのテンプレートも変更。すっきりしたものにしました。それにともなって、リンクが消えてしまったので、時間があるときにでも加えないとね。

外は澄んだ青空が広がってるのに、エッセイにとりかかってるため、残念ながら外出もできない。
いつもだったらエッセイで部屋にこもってると、発狂寸前までいくのだけど、今回は楽しむことを心がけてます。エッセイ・トピックもこれがなかなかおもしろい。

今回のトピックは、

「コーネリアス・カーデュー」

60年代末から70年代に活躍したイギリスの実験音楽家。
彼は「スクラッチ・オーケストラ」という、音楽家だけじゃなく、音楽の教育を受けたことのない素人もとりこみ(当然楽譜も読めない)、また、アナーキストや毛沢東主義などまったく異なった思想ももった人たちをも含んだオーケストラを創設した。そして、最後はマルクス主義に傾倒し、音楽家というよりは政治活動家になり、そして、謎のひき逃げ事件で命を落とす、という結末を迎える。

とくにこのごちゃまぜ集団「スクラッチ・オーケストラ」の発想が刺激的。

そういうわけで、やってることは楽しいんだけど、遅々として執筆のほうはすすまないね。
時間だけはむじょうにもすすんでいく…。

ただ、寮のみんなもエッセイにとりかかっていて、自分だけが苦しんでいるわけではないと思えるのは、せめてもの救い。

2006年4月15日土曜日

今にも浮いちゃうような建築

Serpentine Gallery Pavilion 2006 rendering © OMA

毎年恒例のサーペンタイン・ギャラリーによる建築プロジェクト、Serpentine Gallery Pavillion 2006
毎年夏に国際的に活躍する建築家がギャラリーの隣に、テンポラリーな建築を建てる。
今年は、
Rem KoolhaasCecil Balmondが担当する。上の画像がそのイメージ。
なんか気球のような建築。今にもふわっと浮き上がりそう。気球の向こうにうっすらと見えるのがギャラリー。すっぽりと隠れてます。

この建築プロジェクト、過去にはそうそうたるメンバーが参加してます。
2005年 Álvaro Siza and Eduardo Souto de Moura
2004年 MVRDV (unrealised?)←これは実現しなかったのかな。
2003年 Oscar Niemeyer, 2003
2002年 
伊東豊雄-先日、王立英国建築家協会よりゴールドメダルを受賞。
2001年 Daniel Libeskind
2000年 Zaha Hadid


売れっ子建築家がずらりと並んでる。

ちなみに今年のパビリオンは7月から10月まで公開。
実際どんなものが出来上がるのか楽しみ。

2006年4月13日木曜日

本に囲まれるのが好きです。


本に囲まれるのが好きです。
とくに本がたくさん詰め込まれた本棚に囲まれると興奮してしまう。
そのため、昔から本屋に行くといつもどきどきして、トイレにどうしても行きたくなり、実際にはその場に長居できなくなってしまったことも数知れず。だからきれいなトイレがある本屋はいい。東京ではジュンク堂(新宿)が好きな本屋だった。ここはマニアックなくらい専門書が充実していて、よくアート関連のセクションにいりびたっていた。大きな木の本棚を使っていて、そしてところどころに椅子があって、どこか図書館のような雰囲気を作り出していた。

そして、ロンドンに来てからは、大学の図書館にほぼ毎日通ってる。アート系の学部があるだけにその道の本はかなり充実している。また、そうじゃなくても、ここイギリスはアートに関する議論が活発で、また英語圏でアメリカで書かれた本も当然翻訳という手間もなく手に入るため、アート系の本が日本と比べられないくらい流通している。

さて、前置きが長くなりましたが、そんな図書館好きな人にお薦めの写真集と出会いました。

Candida Hofer "Libraries"

ドイツの写真家カンディダ・へーファー がヨーロッパ、ブラジルなどの図書館だけを撮った写真を集めた一冊。カンディダ・へーファー は、戦後ドイツで給水塔だけを撮ったシリーズで有名なベッヒャー夫妻の弟子である。この写真集ではへーファーは誰もいない図書館を撮り続ける。人の気配を完全に排除し、それが本やインテリアの物質感がよりいっそう強調する。

この写真集を見ていると、知の貯蔵庫である図書館がまるでバベルの塔のように見えてくる。この世のすべて、あらゆる知識を本に閉じこめようとする人間の試み。
「神」の領域に到達しようとしたバベルの塔は神の怒りにふれ、崩れ去る。この世のすべてを記録することは不可能である。それでも人間は昔からその「神」の領域に絶えず挑戦してきた。カンディダ・へーファーによって切り取られた図書館の写真は、そんな人間の途方もない試みの脆さを映し出しているように思える。

この写真集に登場する図書館を巡る旅をしてみたい。以前ギリシャを旅行中に海外の図書館を訪れるのが好きという人に出会った。その人に影響されて、アテネの国立図書館を訪れたことがある。そこは古代に栄えたアテネの記憶をつめこんだ宝箱(たまて箱?)のようだった。

異国の地の図書館めぐり。そんな時間に追われた旅では味わえない旅の楽しみ方もいいかな。

2006年4月2日日曜日

I drank too much last night. In consequence, I have a hangover today.

早朝5時半に帰宅。
外はまだ真っ暗。
ダブルデッカーバスの2階席の先頭の席に座り、少し眠る。
そしたら、見事に寝過ごす。
Deptford から歩く New Cross までの道のりはおよそ20分くらい。
寒さが身にしみます。

昼前に起きたら、二日酔い。
おれ、今酒くさいんだろうな、と思いつつ、バスタブにお湯をため、どっぷりつかる。ついでだから読書もする。Nicolas Bourriaud の Relational Aesthetics

風呂から上がって、昼食を作る。Virgin Radio を聴きながら。
缶詰のサバとたまねぎの炒め物
たまねぎとわかめの味噌汁
白いご飯

きょうも見事にいい天気。
気分をすっきりさせるために散歩しつつ図書館に行くことにする。


まずは大学の裏庭に行く。広大な芝生グラウンド。
全然人もいないので、無駄に50Mダッシュ。体が重い。
きょうは図書館もがらがら。
友達から借りているテキストをコピー。
Jacques Ranciere, The Politics of Aesthetics



部屋に帰って、ベットにもぐりこむ。
気持ちいい風が入ってくる中、しばしお昼寝。

気持ちよかったぁ

2006年3月28日火曜日

新しいもの好き

New Mac!

きょうは学校から投稿してます。

というのも、パソコンゾーンに来てみたら、New Mac が登場してたから。
Intel 搭載で、なぜかモニターの頭にカメラがついてます。そして、マウスは3ボタン?スクロールがついたやつ。
おお、これが新しいMac かと思い、さっそく使ってみました。
以下、感想。

Intel 搭載
インターネットだけじゃその違いはわからない。

マウス
かわいい。スクロール機能は便利。

キーボード
肌触りがすこしやさしい。

Internet Explorer は搭載してない。

Web カメラ
ちょっと学校でこれ使って会話するのは恥ずかしいだろー。

そして、ソフトが増えてる。

たいした感想じゃないね。でも、このMac 欲しいって思いました。
それにしても、うちの大学、こんな新しい機種を購入する意味はあったのかな。それもMac だけじゃない。Windows も先日新しいのを大量に購入し、古い機種(UCL にあるような)が一掃された。メディア系には力を入れているとはいえ、なんとまあ。ほんとに新しいもの好きです、この大学。

そして、一方では、きょうも職員によるストライキが起こっている。給料上げてくれ、と。(※後日談-どうやら年金制度改革を訴えるストだったようです。)図書館の入り口にいるガードマンがきょうはいない。郵便物をもってきた宅配の人が途方にくれる。コピーセンターも今日は休み。学食もやってない。

これも現実。あれも現実。

2006年3月26日日曜日

休日

いま時計の針を1時間すすめました。
きょうからサマータイムが始まるってことにキッチンで友達に言われ気付く。
空気もあったかいし、ロンドンにも春が来たんだなって感じる。

金曜で授業が終わり、そしてなによりも激動だった(特に精神的に)グループワーク&プレゼンが終わり、ほっと一息。おっと、火曜に補講があるから、まだ授業は終わってなかった。予習しないとね。

それでもやっぱり気持ち的にほっとしたので、昨日は久々に買い物に行ってきました。
ターゲットはスニーカー。というのも、今はいているスニーカーに3センチほどの穴があいてしまい、しかもこれが唯一の靴だから、今が買い時かなって思いまして。ま、ビジュアル的に目立つ穴じゃないから我慢できないこともないけど、雨が降ったら困るし。

まずお昼にバービカン・センターに行って、60年代末、70年代はじめに起こったブラジルの文化革命について展覧会tropicaliaを観る。ブラジルの文化は音楽だけじゃなくて、アートの分野もおもしろいってことには日本でブラジルアートの展覧会を通して知っていたので、ある程度の期待をしていったのだけど、その期待を上回るおもしろさだった。ヨーロッパからの影響を受けつつも、それを自分たちなりに吸収している。とくに感じたことは、体全体で感じる、というか、五感を使って感じる作品が多いということ。ラテンの文化というと「身体」というものをイメージするが、それがアートにおいても顕著にあらわれていた。
とくにこの60年代末、70年代はじめという時代は好きだ。世界中で反体制運動が活発に起こった時期。日本では安保闘争、フランスでは5月革命などなど。それまで支配的だった価値観などをくつがえそうと若い世代が立ち上がった時代。もちろんアートにおいてもそれは反映されている。

ま、こんなことを考えつつ、バービカンをあとにして、ブリック・レーンに向かう。スニーカーを求めて。
ブリック・レーンに着いて、まず昼食をとる。
ハンバーガーを食べつつ、こんな風にロンドンに来て買い物に来たのって、ほんと数えるほどだなってふと思う。こっち来て買い物らしい買い物ってCDと帽子を買ったくらい。本はぽつぽつ買ってますが。日本ではよく買い物に行ってたのになあ。

なので、ブリック・レーンに来ても、どこ行けばいいかわからない。
ぷらぷら歩いて、とくにピンとこなかったので、今度はバスでオックスフォード・サーカスに行くことにする。

途中で雨がふりだしてきて、街を歩く人たちが傘をひらきだす。多少の雨では傘を出さないロンドンっ子が傘を開きだしたから、あ、けっこう降ってきたんだなって思う。それにしてもすごい人。みんななにをしにオックスフォードストリートに集まってくるんだろう。

カーナビーストリートなどをぷらっと歩いて、すぐさまコベントガーデンに行く。オックスフォード周辺は人が多すぎ。

コベントで何軒か靴屋をまわり、ひとついいなって思ったものがあったけど、結局買わずに退散。
ひさびさに歩きまわったので、疲れました。店をよく知らないっていうせいもあるけど、全体的にいまいちだったなあ、どの靴屋も。

そういうわけで、昨日の収穫。
CD1枚
インスタントラーメン2つ
以上。

2006年3月13日月曜日

新しい友達

ひさびさのエントリー。
気づいてみたら、1ヶ月ほっぽらかしだった。なんか書こうかなって思って、ログインしようとしたら、パスワードを忘れてました。

きょう、新しいなべをSainsbury'sで買った。
小さななべで、お米を炊く用にちょうどいいかなって思って。

ずっとこれくらい(写真じゃわかにくいけど)の小さななべが欲しかった。
大きななべは持っていたのだけど、カレーを作るとなると、お米を炊くのにもうひとつ必要になってくる。そこで、今夜はカレーだったし、思い切って購入・・・と意気込むほど高いものではありませんが(2.37ポンド)。

さっそくきょう使ってみたが、まだ彼女とは付き合いが浅いため、フィーリングがつかめず、少しご飯を焦がしてしまった。ま、これからじっくり付き合っていきましょう。

お昼は、Tate BritainにTate triennial 2006という展覧会に行く。
これは3年に一度、現代のイギリス・アートの傾向を紹介する展覧会。今回、作家のセレクトを行ったのはドイツ人キュレーター。外から見たイギリス現代美術ってとこかな。
ひとつ興味深い作品があり、それをじっくり見て、他をサラってみて回ったが、家に帰ってカタログをぱらぱら見てたら、サラってみた作品のひとつが、自分のチューターの作品だったことが発覚。驚き。そして、後悔。あの先生が作品制作に関わっているなんて露にも知らず。授業で感想を聞かれても、なんて答えようか・・・。また今度、見に行こう。

展覧会のサイトはこちら
チューターが参加するグループ、The Otolith Groupについてはこちら

2006年2月14日火曜日

「イシワタマリ 記憶バター」展

大学の後輩、イシワタマリの個展「記憶バター」展が恵比寿POINTで始まったみたい。

彼女は大学で文化人類学を学ぶかたわら、絵を学び、ボディ・ペインティングというかたちでライブ・パフォーマンスを行ってきた。

ボディ・ペインティング-
その名の通り、観客の体に直接ペインティングをする。

そこには、その観客との「会話」が生まれ、それが描く対象にも影響をあたえる。
もちろん、そのひとの体のラインも影響力をもってくるだろう。

観客の体が彼女のペインティングで飾られることよって、その空間のお祭りモードのボルテージが一気に上がる。

そんな彼女の作品のもつ即興性がおもしろい。


この個展が終わったあと、イシワタマリはスペインでも個展を開催するようだ。
いよいよ海外進出だね。

「イシワタマリ 記憶バター」展の詳細はこちら

イシワタマリ ホームページ

2006年2月1日水曜日

ビデオアートの創始者逝く

ナムジュン・パイク氏が29日に亡くなられました。

韓国出身のナムジュン・パイクは東大で美学美術史学を学んだ後、ドイツ・ミュンヘンに渡り、そこでジョン・ケージに出会い、彼から大きな影響を受け、ケージとともに前衛音楽に取り組みます。また、そのころフルクサスの活動に参加し、既存の「アート」という概念を覆す作品を次々と発表していきます。

そして、ニューヨークに渡り、ソニー製ポータブルプレイヤーを使った映像作品を発表(1965年)したことにより、ビデオアートの創始者と言われています。

今では、ビデオアートはひとつの表現媒体としてその地位を確立し、また、DVDカメラの普及、そして映像編集ソフトのおかげで、今では誰もが簡単に「ビデオアート」を作れるようになりました。

それだけに、ナムジュン・パイクの死はひとつの時代の終わりを感じさせます。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2006年1月30日月曜日

あけましておめでとうございます。

今日は旧暦のお正月。

僕はいまいちぴんとこないけど、中国、台湾、韓国ではこの日が新暦の正月よりも重視されるとか。

とういわけで、昨夜、うちのフラットでは中国人H主催のパーティーが開かれました。
僕も、せっかくだからとお寿司を提供。今回は、初挑戦のサーモン&アボガド巻きを作りました。
自分はほとんど食べてないけど、なかなかの好評でした。
これは後から聞いた話だけど、ある子が「私が今まで食べた寿司の中で一番おいしい!」と言ってくれてたそうな。お世辞でもうれしいよ。でも、今までどんな寿司を食べていたんだろ…

それにしても、昨夜は次か次へと中国人がやってきた。
しかも、みんな女の子ばっか!
ほとんどがHの知り合い。
いったい何人の女の子がやってきたのだろうか。
新たな子がやってくるたびに迎えにいくHは働き者。

いったいどの子をHが狙っているのか、ひそひそと周りと話し合う。

中には、UCL時代の友人、TオやF(ん?スペルはFだったっけ…)も。とくにFとはひさびさの再会。
あいかわらずの早口でした・笑。ほんと変わりなく元気。
いやいや、こんなとこで再会するなんて「It's a small world!」だね。

朝、キッチンでイギリス人の子に日本人と中国人の見分け方を教えてくれと頼まれる。
顔や服装で違うと思うんだけど、やっぱり感覚的なとこがあるから、説明するのは難しい。

お返しに、イングランド人、スコットランド人、ウェール人、アイルランド人の違いは?と聞く。
これもまた難しいらしい。なまりとか名前とか目の色とかでわかったりするらしい。


それにしても、東アジアの中で日本だけが、旧正月を祝わないんだね。
いつから祝わなくなったのかなとふと思う。

2006年1月28日土曜日

シカク カラ チョウカク ヘ

今日は、Hayward Gallery (@Waterloo) のおもしろい試みを紹介。

現在、このギャラリーでは、ダン・フレイヴィンの回顧展が開かれています。ダン・フレイヴィンは60年代アメリカ、そして世界のアートシーンで大きな影響力を誇ったミニマルアートを代表する作家で、我々の日常生活に身近にある蛍光灯を使った作品を一貫して作り続けている。
身の回りを見回せばどこにでもある、むき出しになった蛍光灯は、豊かな色彩を身にまとい、さまざまな構成によってリズムを生み、普段とは異なる表情を見せる。(*彼の作品は展覧会サイトで見れます。)

今回の回顧展は、彼の作品をまとまった形で見ることのできる貴重な機会であるのだけど、自分にとってより興味深いのは、本展覧会に関連した一つのサウンド・プロジェクト。Greyworld というサウンドアートを作っているアーティスト・グループが、今回フレイヴィンの作品から感じたものを音楽で表現した。
そして、この音楽は展覧会サイトでダウンロードでき(Soundscapeってとこをクリック)、それを自分のiPodなどのプレイヤーに落として、展覧会場に持ってきて、作品を観ながら聴いてみよう、というもの。

これは、新しい鑑賞体験を提示していると思う。

普通の人は、よっぽど音楽に造詣が深い人ではない限り、フレイヴィンの作品のような立体作品を観て、そこにリズムを「見て」、頭の中に音楽が現れるってことはないように思う。一方、Greyworldはフレイヴィンの作品から音楽を感じ取ったわけなんだけど、それは音楽に携わってきた彼ら特有の体験であると思う。それをMP3で誰でも入手できるようにし、鑑賞者が今までとは違った視点を体験できるようにした、この試みはおもしろい。そこでは、視覚体験が聴覚体験に変わる。

これはまた、インターネットやMP3といった媒体を上手く活用した試みだと思う。う~ん、これはかなり使える。

自分はまだ実際に体験していないけれど、ぜひぜひ挑戦してみたい。
そして、先日、Greyworldのメンバーのトークに聞きにいった際、彼らは来月あたりにギャラリーでライブをやることを考えていると語っていた。

いやいや、こっちの美術館・ギャラリーは、なかなかおもしろい楽しみ方を提供してくれる。

2006年1月18日水曜日

それはそれは美しくも少し不気味な夕日でした。


夕方、急きょブライアン・イーノ(Brian Eno)の講演会に潜りこんだ。

ブライアン・イーノはアンビエント・ミュージックという音楽ジャンルを作り出した人。(*詳しくは、Listen Japanを参照)

「アンビエント・ミュージック」、それは、
Listen Japan によると、
「メロディやリズムを楽しむ音楽ではなく、ドラマ性を排し、木々のざわめき/虫の声/都市の騒音などに混じり"環境の一部となって機能する音楽"」。

彼の話の中にも出てきたけど、人って結構その空間の雰囲気を作るために音楽を聴く。だから、その場の雰囲気を作り出す、環境に溶け込むような音楽を作ってみようと思ったらしい。

そして、そのころのフランスの空港でのエピソードをひとつ。

午前中のとても気持ちのよい日で、空港には太陽の光がさしこむ。それは、とても詩的な光景だった。

しかし、そのとき空港に流れていた音楽が最悪だった…あまりにもひどかった。彼の言葉を借りれば、「Stupid!」だった。
その音楽のせいで、その美しい光景が壊れてしまった。

どんなに空港の設備にお金をかけても、流す音楽にはちっとも気を使っていない。
そのとき彼は、音楽はその場の雰囲気を台無しにする可能性をはらんでると悟ったらしい。
そして、その後彼はその空港のために音楽を作り、提供した。彼は、「きっとみんな前より幸せになったと思うよ」って語ってた。

最近、日本では雰囲気重視のカフェがどんどん登場しているけど、どこも空間である「箱」とともに、そこで流す音楽にもかなりこだわりを持っているのではないかなって思う。いや、むしろ制限のある「箱」より、簡単に自分の好きな空間を作りだせる音楽の方に力を入れているのかもね。

ま、それだけ、音楽が空間に与える影響力が強いってこと。

だって、絵画だったら、その前に立つなり座るなりして作品を見るけど、そこから移動して作品が視界に入らなくなったら、その人への影響力ってなくなってしまう。
でも、音は空間に充満して、人を包み込むから、その人が移動しても、他の事をしていても、その空間の中にいる限り、その人への影響力は持続する。

そんな「音」のもつ力に注目して、今まで部屋でバック・ミュージックとしてCDを聴くことくらいしか音楽に接してこなかった自分が、イギリスに来て、現代音楽なるものを勉強していることに、最近不思議だなって思うと同時に、この先どうなっていくのだろうかって我ながら思います。

2006年1月8日日曜日

何が伝えたいの?


リヨンで見つけた道路標識。
「危険!人面馬出没注意!」(仮名)

これ、どんな泣き声すんだろ?
べたに

「ヒヒ~ン」

なのか、それとも目のまわりにくまがあるから意外にも、

「モ~」

はたまた、普通に

「オデさー、今日二日酔いで頭痛いんだわ。」

それにしても、くわえタバコがシブいぜ。

ちなみに、高校のときの生物の先生、ラ行の発音がうまくなく、いつも自分のことを「オデ」って言ってました。はい、どうでもいいね。

2006年1月6日金曜日

来週から学校が再開します。

今、自分の考えていることを表現することの難しさを痛感してます。
それが言葉であったり(今の自分)、絵画であったり音楽であったり、表現形態が何であるかにかかわらず、誰もが生みの苦しみを味わうんだろうと思います。

なぜ、こんなことを考えているかというと、現在、エッセイ執筆にとりかかっているからです。
正確に言えば、やっと始めたというか。追い込まれなければ、やる気が出ない性格は、イギリスに来ても、そして課題が英語で今まで以上に大変になっても変わらないようです。これから4日間はかなりしんどい思いをして、あーもっと早く始めておけばよかった、って後悔するんだろうな、毎度のごとく…って思います。

2006年1月3日火曜日

新年を迎えて

明けましておめでとうございます。

2006年になりました。
まだまだ大学院で多くの苦難にぶつかるであろうと思いますが、なんとしてでも切り抜けていこうと思います。そして、貪欲に多くのことを吸収してやろうと思います。

今年の目標は、というより常に心がけていきたいことですが、自分の意見をしっかり言う!です。
このことは英語以前に日本にいるときから上手くなかったのですが、今、自分はとりわけ自分の意見を求められる環境にいます。これを機会にひとつ殻を破ってやろう、と今年は強く思うのです。

さて、去年の暮れにこっそりはじめたこのブログですが、これも続けていけたらと思います。「キュウリとゆかいな仲間たち」(http://londonkyuu.exblog.jp/)共々、どうかよろしくお願いします。

今年もよい年でありますように。

2006年1月2日