2006年1月28日土曜日

シカク カラ チョウカク ヘ

今日は、Hayward Gallery (@Waterloo) のおもしろい試みを紹介。

現在、このギャラリーでは、ダン・フレイヴィンの回顧展が開かれています。ダン・フレイヴィンは60年代アメリカ、そして世界のアートシーンで大きな影響力を誇ったミニマルアートを代表する作家で、我々の日常生活に身近にある蛍光灯を使った作品を一貫して作り続けている。
身の回りを見回せばどこにでもある、むき出しになった蛍光灯は、豊かな色彩を身にまとい、さまざまな構成によってリズムを生み、普段とは異なる表情を見せる。(*彼の作品は展覧会サイトで見れます。)

今回の回顧展は、彼の作品をまとまった形で見ることのできる貴重な機会であるのだけど、自分にとってより興味深いのは、本展覧会に関連した一つのサウンド・プロジェクト。Greyworld というサウンドアートを作っているアーティスト・グループが、今回フレイヴィンの作品から感じたものを音楽で表現した。
そして、この音楽は展覧会サイトでダウンロードでき(Soundscapeってとこをクリック)、それを自分のiPodなどのプレイヤーに落として、展覧会場に持ってきて、作品を観ながら聴いてみよう、というもの。

これは、新しい鑑賞体験を提示していると思う。

普通の人は、よっぽど音楽に造詣が深い人ではない限り、フレイヴィンの作品のような立体作品を観て、そこにリズムを「見て」、頭の中に音楽が現れるってことはないように思う。一方、Greyworldはフレイヴィンの作品から音楽を感じ取ったわけなんだけど、それは音楽に携わってきた彼ら特有の体験であると思う。それをMP3で誰でも入手できるようにし、鑑賞者が今までとは違った視点を体験できるようにした、この試みはおもしろい。そこでは、視覚体験が聴覚体験に変わる。

これはまた、インターネットやMP3といった媒体を上手く活用した試みだと思う。う~ん、これはかなり使える。

自分はまだ実際に体験していないけれど、ぜひぜひ挑戦してみたい。
そして、先日、Greyworldのメンバーのトークに聞きにいった際、彼らは来月あたりにギャラリーでライブをやることを考えていると語っていた。

いやいや、こっちの美術館・ギャラリーは、なかなかおもしろい楽しみ方を提供してくれる。

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