これが自分にとっての今年最後の展覧会になるのかな。

この展覧会に対して僕が受けたイメージを一言で言い表すならば「猥雑」ですね。
今回の作品は、アメリカのエンターテイメントの象徴であるディズニーランド、その人気アトラクション、カリブの海賊がモチーフになってます。ビデオ作品に登場してくるキャラクターはかわいいのに、非常に乱れまくってます。暴れてます、海賊たちが。
彼のパフォーマンスは、自らの身体をいじりまくります。いたぶってます。
例えば、今日観たビデオ作品の中に、自分のおち○ちんを黒いペンキが入った缶に入れる、そしてそれを繰り返す、というものがありました。
解説文にポール・マッカーシーは、ウィーン・アクショニストの影響を受けていると書いてありましたが、その影響は彼の作品に非常によく表れているな、と思いました。自らの身体をいたぶったり、血やう○ちを画材として使用したウィーン・アクショニストと比べると、その過激な身体を用いたパフォーマンスという点で共通点が見出せますが、マッカーシーの作品はアメリカ社会の風刺などより政治色が色濃く出ているかと思います。
今回の展覧会は別会場があって、そちらに大きなインスタレーションが展示されてます。こちらの方が、彼の強烈な暴れっぷり、乱れっぷりがよく出てます。
Whitechapel Art Gallery の展示の方は、ホワイトキューブの中に作品がすっぽりはまって、どうも彼の作品の持つ強烈な個性(毒々しさ、卑猥さ)が消えてしまってるような気がしました。
作品の持つ強烈な個性のわりに、自分の中にピンとくるものがなかったので、レビューについてはこの辺で。まだまだ自分のボキャブラリーが足りませんね。
なにはともあれ、2005年、日本、ロンドンといろんな展覧会を見てきました。しかし、ロンドンに来て比較的大き目、あるいは有名な作家の展覧会しか見ていないような気がします。
だから、2006年は小さな画廊にも積極的に通いたいと思います。
Whitechapel Art Gallery ホームページ: http://www.whitechapel.org/